2021/3/16相続

Story of 子のない夫婦に遺言書

大切なことは相手を想うこと

桜の開花宣言がされました。
少しずつ春が訪れていますが、今年のお花見も自粛状態で本当に残念ですね。
オリンピックができるかどうかも重要ですが、まずは当たり前に普段の生活を送れるようになりたいですね。

こんな時期でも大事な友人が留学に行くという話があり、その前になんとか送別会をやってあげたいと思うのですが・・・

さて、今回もできれば誰かの役に立つ内容を残していきたいと思います。

先日、子供が生まれたら遺言書を書きましょう、というお話を書きました。

今週ご相談頂いたお客様もいろいろとお話を聞いたところ、遺言書が特に必要な状態でした。
以前に続き今回も、特に遺言書を書いた方がいい場合のお話を。



遺言書を書いた方がいい人とは?



これ対して、まず第一の答えは成人の方全員とお答えすることもできます。これではさすがに芸がないので、特に遺言書を書かなくてはならない人、書かないとトラブルになるかもしれない人を挙げておきます。



上記のような人は特に遺言書が必要です。
無用のトラブルや海外とのやり取り、必要書類の収集が大変で遅々として進まないということもよくある話です。何かあってからでは遅いということは聞き飽きたワードでしょうがとても大切です。


平穏かつ円満に相続をするために、極力遺言書は書いていただきたいものです。



子のいない夫婦と相続



子供がいない夫婦の場合には遺言書を残した方がいいです。
あくまでベストではなくベターですが、あるに越したことはありません。状況によっては必須であることもあります。

分かりやすいように、事例でご説明します。

上の例で、Aの相続について考えます。
Aが亡くなると配偶者のBと兄弟のDが相続人になります。その法定相続分は、配偶者Bが4分の3、兄弟Dが4分の1です。

遺言書がなければ、Aが亡くなった後BとDは遺産分割協議を行います。大抵の場合では、できるだけ配偶者であるBが単独で相続できるようにDは協力してくれます。ところが、もしここでDに自分の法定相続分を主張されるとBは対応せざるを得なくなります。
最悪の場合、この法定相続分4分の1が預貯金では賄えず、自宅不動産にまで食い込んでしまい、法定相続分の支払いのためにローンを組んだり、自宅を売却しなくてはならなくなります。
仮に不動産の売却にまで至らなくても、残された配偶者にとっては現金は重要です。法定相続分相当の現金を支払っている余裕はないかもしれません。

あくまで考えうる最悪の事態のことで絶対そうなるわけではありませんが、押し本当にそうなってしまったとき、ただ二人で住んでいただけなのに、それすらも叶えられなくなってしまうのは寂しいことです。


そうならないようにするために、子のいない夫婦にこそ遺言書は残して欲しいですね。



兄弟との話し合いは精神的苦痛を伴うかも



ということで、遺言書がないと兄弟との間でトラブルが発生してしまう可能性があります。普段から仲良くしていればいいのですが、ここでいう兄弟には異父兄弟姉妹、異母兄弟姉妹など両親の前婚の子も含みます。
ここまでいくと普通は交流がありません。それどころか、その存在すら知らないこともあります。
交流のない兄弟姉妹と連絡を取るのはそれなりに骨が

考えてもみてください。
残された配偶者は悲しみの中にいるのに、これから兄弟と自分が今の暮らしを継続していけるようにするために話し合いをしていかなくてはならないのです。あなたななら兄弟になんと声をかけますか?


『私のために兄弟の相続を放棄してくれませんか?』
『あなたには法律上相続分はあるけれど、遠慮してくれますよね?』


兄弟が自ら『自分は遺産なんて一切いらないからね』と言ってくれない限り、この話を持ち掛けること自体が精神的な苦しみを伴うものです。


内容はシンプルで良いです。
配偶者に全財産を相続させる内容の遺言書があれば、そういう悩みからは解放されます。どれだけ仲の良い兄弟だったとしても、奥さんや旦那さんのことを想うならお互いに遺言書を書くことをお勧めします。



ちょっとだけ気を付けて欲しいこと



基本的には遺言書はシンプルで構いません。
ただ一つ気を付けて欲しいのは、いつ誰が死ぬかは誰にもわかりません。夫が妻に、妻が夫に相続させる内容の遺言書を書きますが、この内容だけだとどちらか後に亡くなる方の遺言書は無効になってしまいます。(遺言書で相続させたい相手が先に死んでいる場合は、その部分は効力がないということです)

なので、まずはシンプルに配偶者に相続させる内容を書きつつ、自分が残されたときには最終的にその財産が誰に相続(または寄付)するのかまで決めておくと良いですよ。



最後に



遺言書を書かなければ後で困ってしまう可能性のある人たちのことを今後も説明していきます。
お子さんのいないご夫婦だからこそ、夫婦の絆はどんな家族よりも強く、お互いを大切に想っていることと思います。それほど難しく考えることはありません。

お互いに相続のときに困らないようにちょっとだけ時間を作ってください。



最後までお読みいただき、ありがとうございました!!