2020/7/10仕事

Story of 保管制度は遺言書の革命となりうるか

自分の最後は自分で決める。



東京のコロナ感染者数は昨日過去最多を記録したそうです。
それでも仕事はしないといけないし。

誰かのせいにしても始まらないので、足りない頭をフル回転させて、今できることとか誰かにしてあげなくてはならないことを中心に仕事をしています。
正直、ほとんど無償のような仕事もありますが、有事の際にこそ司法書士になって人助けができて良かったとも言えるのかもしれません。


世間はこんな事態でも、オリンピックのように延期されたものもあれば予定どおり実行されているものもあります。
そして今日は、我々の業界では結構大きな出来事がある日です。


2~3年ほど前から相続の界隈では改正が段階的に施行されています。
相続法(民法の中の相続に関する部分をこのように呼ぶことがあります)は債権法の改正のついでといった感もあるのですが、今日から始まるこの制度は、別格に重要になると思っています。


自筆証書遺言書の保管制度



遺言書には大きく3種類の方法があります。

①自筆証書遺言 ②公正証書遺言 ③秘密証書遺言


その辺は過去にも触れてきたので、そちらをご覧ください。

↓遺言書の種類は下記を

↓自筆証書遺言と公正証書遺言の選び方は下記を


↓遺言書を映像をで残すことの意味については下記を



さて、今日から施行された遺言書の保管制度は、自筆証書遺言を対象にしています。
保管制度を使って、今まで自筆証書遺言のデメリットとされていた部分の多くが解決できます。

制度概要はざっくり言うと下記のとおりです。


管轄の法務局に対して自筆で書いた遺言書の原本を保管してもらう制度です。
遺言者本人が法務局に出頭しなくてはなりません。

【主な効果】

(1)遺言書の形式が有効なものか判断してもらえる
(2)遺言書の閲覧及び遺言書の写し(遺言書情報証明書)の交付請求が可能
   ※原本は法務局に保管されています。
(3)自筆証書遺言の検認手続きが不要


自筆証書遺言の今までの課題

①形式に誤りがあった場合、遺言が無効になる可能性がある
②隠匿、紛失、改竄の恐れがある
③検認が必要

これらの課題をすべて解決できることになります。


乗るしかないこのビッグ(?)ウェーブに



本来であれば、政府はこの制度をきっかけに遺言書をもっと多くの人に書いてもらおうという狙いがあったように思います。
相続トラブルの減少、空き家問題の解決など遺言書を積極的に書いてもらうことである程度減らすことができます。
また、相続に関する手続きの制度緩和、処理速度の向上も狙える可能性があります。


個人的にはもう随分前からこの制度が始まることを楽しみにしていました。
コロナ騒ぎがなければ、連日ニュースで取り上げられていたかもしれません。
今回、多くの人に知ってもらうきっかけとまではならなそうなのは少し残念ではありますが、せっかくのお祭りなので(いや、ホントにお祭りになるぐらいのテーマではあったはずなんです)私も乗っかってみました。


保管手続きの詳細手続きについてはまた後日アップします。



最後までお読みいただきありがとうございました。