2020/3/6映画

Story of 『この世界の片隅に』

移動時間って暇ですよね。
映画配信サービスのおかげで、見たい映画を2、3本用意してから飛行機に乗ります。

今日見た一本。いい映画だったので、忘れないうちにレビューを。

この世界の片隅に


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2016年
★★★★★


正直言って戦争映画は好きじゃないです。
やっぱり気持ちが重くなってしまうので。
でも、この映画はずっと気になってまして、これは覚悟決めて、心に余裕があるときにと思っていました。


戦争映画なんだけれど、主人公のすずの性格と、わりとたんたんとテンポよく進む作風のおかげで暗くなりすぎない雰囲気でした。
戦時下においても、その時代で楽しく笑いながら暮らしてる日常が描かれています。


この映画は主人公が本当に魅力的。初め、のん(能年玲奈)の声がちょっと間の抜けた感じかしたんですが、これ以上ないくらいぴったり。
子供っぽくて、陽気で大雑把でミスばかり、だけど憎めないすず。
そんなすずが、時代に、戦争に人生を振り回されます。


最も印象的だったのは、昭和天皇の玉音放送を聞き、実感のない敗戦の報告に感情をあらわにするところ。
大切なものをたくさん犠牲にして来たからこそ、敗戦は許しがたいもので、本当に悔しかったんだろうと。
当時の方々が敗戦で、なぜ涙を流したのか、そのことが伝わる作品でした。


やはり、心に少し重さが残る(考えさせられる)ので、ある程度心に余裕があるときに見て欲しいですが、決して絶望ではなく、日常を、極力明るい描写で描いています。


暗い映画ではありません。

やがて立ち直る、人間は強いと思わせてくれる、そんな作品でした。


こういう映画がクラウドファンディングの力で世に出てくるのは素晴らしいことだと思います。


遅ればせながら、素晴らしい映画でした。


現在、これに追加映像を加えた『この世界のさらにいくつもの片隅に』が上映中です。結構印象が変わるぐらいの追加がされているみたいなので、これもできれば見に行きたい。コロナウイルスが早くおさまれば・・・


『 ありがとう 。この世界の片隅に、うちを見つけてくれて。』