2020/3/12仕事

Story of “King of Connection”

人とのお別れはやっぱり寂しいです。

何度味わってもきっと慣れることはないのではないか、そう思います。
やっぱり、人との別れは寂しいものですね。
こんな仕事していながらも、葬儀に参列するときは、直前まで怖気づいてしまいます。


3/9、大切なお客様の一人であるOさんが亡くなられました。
Oさんは元々は麻布で、現在は赤坂でMusic BARを営むダンディなマスターでした。
付き合いは決して長いわけではありませんでした。
終活を考えているということで、葬儀屋さんからご紹介を頂き、生前の想いを綴る動画を撮らせていただきました。

それが昨年の9月のことでした。


何年か前に癌を患い、その後完治した後に再発したそうです。
出会った当初、癌の影響はまだ少なく、またご本人の生きる意志は強く、まだ幼い子供のためにも頑張ろうとする気持ちがひしひしと伝わってくるような方でした。
だから最初の癌にも勝てたんでしょうね。
病は気から、本当だと思います。


Oマスターは、人と人を繋げることを使命としていて、今でこそ珍しくはないですが、お店主導の婚活パーティー(マスターが合うと思った相手をそろえて行う合コン)を何十年も前から行っていました。
今では個人情報で問題になりそうなものですが、お客さんの婚活マッチングのために作ったアルバムは何冊にもわたり、実際ここから何組も結婚された方もいらっしゃったそうです。

音楽を愛し、音楽関係者の方も多く出入りされていたそうで、麻布にお店を構えていたときは結構有名だったそうです。
世話焼きなOマスターは必然人望も厚く、風貌はまさにダンディという言葉がぴったりな方でした。


Oマスターとは、11月に赤坂のお店で生前葬も行わせていただきました。
3日にわたって行った生前葬は、笑いあり、音楽あり、涙ありの素敵な生前葬になりました。
商売人らしく、『長生きして、来年もまた生前葬をやるからみんなまたお店にお金を落としていってくれ』と言って、会場を笑わせている姿はユーモラスでOマスターらしい生前葬でした。


癌が再発してから、いろいろな治療を試みていましたが、最終的には抗がん剤治療を行ったそうです。
抗がん剤治療を行って以降は、食事もままならず、次第に痩せていく姿はを見るのはつらいものがありました。

入院治療から自宅治療に移ると聞いてからあっという間のことで、もう一度会って、最後までまだできることをしてあげたかったなぁと後悔が少し残っています。

それでも、親族と特に近しい方だけが出席された火葬に出席させていただき、お見送りができたのはご親族様方のご配慮のおかげでした。


マスター、素敵な人生を記録させていただきありがとうございました。
会津の馬刺しほどおいしい馬刺しを食べたことはありませんでした。

きっと天国でも音楽を聴きながら、変わらず人と人を繋いでいるのでしょう。
ご冥福をお祈りいたします。


日本一『想い』が伝わる遺言書を始めてから、今までと違って深くその方の人生に関わらせていただくようになりました。
動画を撮らせていただくときは、家族関係から生い立ち、仕事のこと、家族へ想いなどいろいろな情報を聞き取って映像クリエイターと共に形にしていきます。
実際にいろいろな話を聞かせてもらっているだけで、その人のファンになってしまいます。
それだけに、これからもお別れは寂しいものになりそうですが、最後まで見届けることも含めて、これも使命と受け入れていく必要があるように思います。


普通の人の普通の人生だって、面白くて、素敵で、衝撃的な話が山ほどあります。
でも、普通の人の普通の人生をテレビや雑誌で取り上げられることは、めったにあることではありません。
僕らは、普通の人の誰も取り上げないような人生こそ、記録し残し伝えていきます。