Story of 映像と遺言書
百聞は一見に如かず
ブログを書くようになってから大体3ヶ月半ぐらいが経ちました。
もう少し読みやすいようにブログの見え方をいじりたいのですが、難しくて・・・
無理なく大体1週間に一度くらいの頻度で更新しています。
有難いことに少しずつご覧いただいている方が増えているのは、わかりやすい成果と言えて楽しいものです。
Googleの検索から『遺言書 撮影』というテーマで検索頂いているようです。
自分のHPが検索にかかったときの嬉しさはなかなか得難い経験です。
最近相続がらみの話でないテーマが多かったので、本日は映像と遺言書に関するお話を。
遺言書=明るいもの
コロナ禍においても(故にというのもり)、ありがたいことに変わらず相続のご相談は常にいくつかいただいています。
そんな中でも『遺言書を作りたい』というご相談は仕事をする上でやりがいのある仕事の一つです。
意外かもしれませんが、『遺言書を作りたい』という要望を持ったお客様は決して後ろ向きではなく、前向きな感情を持っている方が非常に多いです。
自らの死期が近いことを知っている人もいれば、まだ具体的な死は迫っていない方もいます。
残そうと思った経緯はともかく、まだ遺言書を書くのが当たり前になっていない世の中で、遺言書を残そうと思う方は、家族を大切にお考えの方が多いのです。
自然と相談の場は驚くほど明るくなります。
遺言書の実際
遺言書を残す方のほとんどが、残される家族を心配していたり、お世話になった人への感謝を伝えたいと考えていたりする方々です。
私にとっての遺言書作成とは、【相続のトラブルをなくし】遺言書の中身を実現するということが最大の目的です。
ここでいうトラブルは、法的なものだけではなく、心情的なものも含んでいます。
すなわち、相続後に子供同士の仲が悪くなってしまったり、疎遠になってしまったりすることも相続のトラブルと言えます。
しかし、残念ながら遺言書を残すだけでは、本当の意味でトラブルはなくなりません。
実際に行われている裁判を見ていただければわかりますが、世の中には遺言書が誰かに無理やり書かされたものだとか、偽造されているとかで争われています。
それも、しばしばその主張が認められます。
実際に偽造されたり、強引に書かせたりすることも実際にあるからです。
そういう可能性があると、人は疑い始めてしまうものです。
特に自分に都合の悪い内容の遺言書であれば尚更です。
だからこそ、遺言書は本人の意思で書かれたものであることが大切で、そしてそれが本人の意思で書かれたことを証明されるものが必要です。
それは、自筆で書かれたものであろうと、公正証書で作られたものであろうと同じことです。
映像と遺言書
本人が残したことを明確にするために、映像で遺言書を作成すればいいのではないか?との声もあるかもしれません。
これに対しては、明確に『NO』です。
遺言書は法的に有効な方法で作成しない限り、無効となってしまいます。
形式を誤っただけで、その効果が無くなってしまうことも十分にあります。
遺言書の方式については下記を参照してください。
映像で残した遺言書は法的に効果がありません。
映像だけが残っていても、故人の想いを実現することは難しいでしょう。
(相続人全員が同意してくれれば別です)
もっとも、全く効果がないわけではありません。
実際の裁判で、映像を証拠として提出することは可能です。
遺言書が本人の意思で書かれたものなのかは、個別の状況によって判断されます。
①本人の病状 ②財産や印鑑の管理を ③筆跡 などです。
軽度の認知症を患っている場合は、映像だけではなく、診断書を取った方がいいでしょうし、日を跨いでも遺言書に書いた内容を言えるかを動画にとって確認した方がいいでしょう。
現場にいない裁判官にとっては、当時の状況や本人の表情を知ることができるのは単純にメリットと言えます。
映像は有力な証拠の一つになりうるということです。
大切なこと
そもそもそういった争いを未然に防ぐことが重要なのです。
そうならないようにトラブルの種を摘む努力をすべきだと思います。
どうにもならないことがあることも事実ですが・・・
余談ですが、撮影の現場は多分皆さんが想像する以上に楽しいものです。
私たちの映像は、遺言書の内容を読み上げるようなものではなく、その人の生い立ちや仕事、家族に対する想いを語っていただく場なので、笑いが絶えません。
普通の人の当たり前の人生に思えても、実は全然そうではありません。
撮影が終わるころには、1人の人間として尊敬し、ファンになってしまうというのがお決まりです。
だからこそ、もしその方に不幸があったときは本当に悲しいんですけどね。
大切なのは遺言書を書くことでも映像を残すことでもありません。
想いを伝え、トラブルを無くすことです。
少なくとも、私の信念はそこにあります。
そういうことを忘れずに今後もご相談を受けさせていただきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!!