Story of 文章力がモノをいう
効果的に伝える。
私が尊敬するタイプの人間は3種類います。
①機転が利く人
②話が上手な人
③文章が上手な人
①は、日常の会話の中だったり、緊急事態のときだったり様々な場面で機転が利く対応ができる人は、頭がイイなぁと思います。
②、③は同種のタイプで、言葉や文章だけで人の心を動かすことができるってめちゃくちゃかっこいい!というシンプルな理由です。
文章よりは話が上手な人の方が評価は個人評価は高かったんですが、今回それを見直す必要があるかもしれないなぁと。
久しぶりの公正証書遺言作成
先日、自粛生活が始まってから初の公正証書遺言を作成してきました。
遺言書についてはこちらをご覧ください。
自粛中だろうが、なかろうが、遺言書を書くべき人っていうのは基本的に変わりはありません。
逆に今だからこそ先のことを考えて欲しい人がたくさんいます。
で、今回はお客様と相談して、自筆証書ではなくて公正証書にしようと決めました。
状況から考えて、自筆証書よりも公正証書の方がメリットがあると結論付けたからです。
【公正証書遺言を作るときの手順】
①お客様の意向を聞き、遺言書の文案作成
結局一番大事なのはここ。
相続が発生した後どうなるかいろんなことを想定して、遺言者の希望に添うように作成する。
↓
②遺言書作成に必要な書類の収集
財産関係書類、身分証明書、戸籍、印鑑証明書など
↓
③文案を公証人に提出し、内容の協議
公証人の好みで書き方、表現の仕方が変わることがあります。
↓
④公証役場、または出張を依頼して公正証書作成
立会人2人を用意(ご家族は基本的にダメ)
大体こんな感じの流れになります。
流れ自体はそんなに難しいことはありません。
結局のところはどのような内容の遺言書を残すか、そこにつきます。
今回は、遺言書の内容を決める段階から本人の他にご家族の皆さんも協議に参加していただき、ご本人の意思を尊重する方向でまとまっていたので、本当に望まれた内容の遺言書ができたと思います。
関われてよかったなぁと思えるありがたいお仕事でした。
文章力がモノを言う
公正証書遺言には、法律的な内容(どの財産を誰に~とか)の部分以外に、付言事項という欄を作ることがあります。
付言事項は、遺言書を作った方の『想い』を記す場所で、例えば「なぜ遺言書を作成したのか」、とか「なぜこのような内容になったのか」、とか「感謝の気持ち」「自分の死後みんなにどうして欲しいのか」などを書くところです。
付言事項に関しては、書く人もいれば書かない人もいます。
いきなり書けって言われてもね、難しい気持ちもよくわかります。
本当は是非書いて欲しい部分ですが、そういうのが苦手な人もいますので強制はできません。
でも、本当はやっぱり書いて欲しいです。
だって、家族や大切な人に『想い』を伝える機会なんて意外とないじゃないですか?
こんな時ぐらい伝えましょうよって。
今回、若干渋っていたものの、お客様にも書いていただきました。
慣れない中で、精いっぱいの表現で綴っていただきました。
ご本人が書いたということが重要だと思っているので、いつも、ご本人が書いた原文ままにして、公証人に提出しています。
へたに脚色してしまうのはあまりよくないと思っていました。
今回も例によって、お客様の原文ままに提出しました。
やがて届いた公証人からの遺言書文案には、「てにをは」だけではく、原文を崩さず、かつ少しアレンジの効いた内容で提示がありました。
今までそういう経験はなかったので少々驚いたものの、全体的にかなり良くなっていたので、これはこれでありだなぁと思いつつ、とはいえお客様からはなんで勝手に変えたのかとお叱りを受ける可能性もあると思いながらご報告しました。
するとお客様からは、こんなに素敵に表現してくれて嬉しいです、と。
原文からいじらないことが正義と思っていたので、今までちょっともったいなかったなぁと思った瞬間でした。
確かに、文章を書くのは、得意不得意があります。
苦手な人からすれば、自分の想いを素敵な文章で表現してくれること、それ自体に十分な価値があるものなのでしょう。
遺言書動画でそういうことやっている癖に、すぐにそこに思い至らないのは我ながら残念ではあります・・・(笑)
何でもかんでもいじるのではなく、お客様に選択肢を提供する形で今後実践させていただきたいと思います。
文章で表現する能力、めちゃくちゃかっこいいです!!
つたない文章でこの気持ちがまず伝えきれてないのが非常に残念です(笑)
私も文章力鍛えていきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!!