2020/2/10仕事

Story of 日本一想いが伝わる遺言書

日本一『想い』が伝わる遺言書
なんでこんなことを始めようと思ったのか、それを少し語ってみようかと思います。

ここ数年、たくさんの相続のご相談を受けてきました。
純粋に手続きのみをして欲しいという要望もあれば、借金があってどうしたらいいかわからない、会ったこともない相続人が他にもいてうまく遺産分割ができるか、とかご相談も様々です。

いくつも相続のトラブルを目にしてきた私にとっては、揉めない相続を実現することがこの仕事を行っていく上での命題であると必然的に思い至ったわけです。

本当に相続トラブルは悲惨なものなんです。
兄弟って案外崩れてしまうものです。
見栄や社会的地位の影響で 、ケンカしてすぐ仲直りしていた子供の頃とはわけが違います。
仲の良かったいとこ同士も 、親同士が不仲になったせいで 、疎遠になることもあります。
葬儀やお墓参りにも顔を出さないなんてことも平気であります。
亡くなられた方はさぞ無念だと思います。

私が、相続に関するセミナーをやるときに 、毎回聞いていることがあります。

『あなたの家では相続のトラブルが起きると思いますか?』

この質問に対して、8割ぐらいの方は 、『うちの子供たちは仲がいいから大丈夫』とか『うちは財産がないからもめないわ』とおっしゃいます
ですが、相続トラブルはのっぴきならないその時の状況や、許せないとか感情のトラブルがほとんどです。

残念ながら『今』仲がいいとか、『今』みんな欲しがらないというのはあてにならないんです。

そこで 、どんな人にも遺言書を書いて欲しい 、そういう風に考えたわけです。
最初は遺言書を書いてもらえば、万事解決とそう思っていました。
故人のしたかったようにしてあげられるし、手続きは簡単に済ませられるわけですから。

でも、これだけでは足りないことがすぐにわかりました。
何が足りないって、遺言書を残した想いが十分に伝わらないんです。

冷静に考えたらそれは当然で、一見して納得できる遺言書もあれば、納得できない遺言書もあるわけで、納得できない遺言書を見た子はこう思います。

『誰かに書かされたんじゃないか』

『こんな遺言書書きやがって』

とか、全然丸く収まっていません。
これはつまり、なんでそんな遺言書をご本人が書いたのか伝わっていないからだと思うのです。

公証役場で作成する公正証書遺言には、付言事項という法律的な話とは別の『想い』を文書で残す項目があります。
これを使って文書で残すのは当然やるべきなのですが、書かされたとか頭に血が上っている人にとっては有効ではありません。

なかなか難しいものだなぁ、と思っていた矢先のことでした。
たまたま自分自身の結婚があって、その結婚式のときに、私たちは結婚式の映像撮影はいらない、そんなに何度も再生しないから無駄になる、そんな風に思っていました。


ところが、信頼しているウェディングプランナーさんが、写真撮影は無くてもいいから映像だけは絶対に入れた方がいいと言ってくれました。
プランナーさんへの信頼は絶大だったので、騙されてもいいという気持ちで映像を導入したのでした。
結果は・・・導入して本当に良かった、あのときのあの空気を本当にうまく表現してくれている素晴らしい映像でした。

そのときに、映像の素晴らしさに気づき、これを相続に持ってくることはできないものかと考え出したのでした。

映像は、その場の空気感、人物の表情、声のトーンで『想い』を最大限伝えることのできる、最強の道具だと思っています。
そんな映像を使って、『想い』を最大限まで伝えることができれば、それはトラブルの防止につながると考えました。

私たちの動画は、単に遺言書を読み上げるようなそんな代物ではなく(他社を否定するわけではありませんが、定点カメラでただ遺言書を読み上げるサービスにお金を払う意味はないと思っています)、その方の人生にフォーカスし、家族でも知りえなかった人生を知り、あらゆる人生の選択の裏にある『想い』を表現した上で、遺言書の中身を補足していただくような内容に仕上げています。
まだ日本では、遺言を動画で残すことは法的には認められていません。
でも、だからこそ、動画のクオリティにこだわり感動的なものを作り上げることが重要であると考えています。

現在、多くの事業者が遺言書動画を撮るような時代になってきました。
私たちが作る 日本一『想い』が伝わる遺言書 はあくまで【遺言書+動画】です。
遺言書の付随的要素の強いものであることをご理解いただきたいのですが、絶対に撮っておいて良かったと思っていただけるものを作っています。

節目節目で動画を見ながら、思い出話に花咲かせつつ、日頃伝えられない家族への想いを存分に伝えられる機会になれば職業冥利に尽きるといったところでしょうか。

まだまだ遺言書を書くこと自体が文化的に浸透していない日本で、他の事業者さんともみんなで、遺言書を楽しく残せるようなムーブメントを起こしていきたいと思っています。